菜根譚の本のランキングをまとめました

菜根譚(さいこんたん)をわかりやすく解説|名言や抑えておく座右の銘も紹介

中国が宋の時代に執筆された人生訓、菜根譚(さいこんたん)をご存知でしょうか?

わかりづらい箇所も多い菜根譚を、わかりやすく解説しながら、名言も紹介します。

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菜根譚(さいこんたん)とは?どんな本?

菜根譚とは、洪自誠(こう じせい)という宋の時代の儒学者が書いた本です。宋の時代は、日本がまだ平安時代の頃で、今から約1,000年前に書かれました。

混迷する時代において、逆境をいかに乗り切るかを示した処世訓で、明代末期の内乱や政争が相次いだ時代において、形骸化した儒教道徳に「道教」や「仏教」の要素を導き入れ、新しい命を吹き込みました。

菜根譚のタイトルですが、「菜根」は「人はよく菜根を咬みえば、すなわち百事をなすべし」という故事に由来し、「野菜の根は非常に硬いが、それをかみしめるように、苦しい境遇に耐えることができれば、人は多くのことを成し遂げることができる」という古事に由来しています。

人生の苦境を、固い野菜を噛むように耐えることができたら、全てのことを成し遂げられる、という意味を示しています。野菜に関する本ではありません。

松下幸之助(パナソニック創業者)田中角栄(元総理大臣)川上哲治(元プロ野球監督)野村克也(元プロ野球監督)ら、各界のリーダーたちから座右の書として愛されてきた、読書好きだけが辿り着く「隠れた名著」。

菜根譚(さいこんたん)の著者洪自誠(こう じせい)とは

中国明代の著作家。本名は洪応明で「自誠」は字。詳しい経歴は不明ながら、著作から判断すると、優秀な官僚として活躍したのち、政争に巻き込まれ、苦渋の中で隠遁した人と考えられている。

洪自誠については、「洪自誠とは?」で詳細に記載しています。

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菜根譚(さいこんたん)がおすすめな人

菜根譚(さいこんたん)がおすすめな人は以下の方です。

  • どうすれば自然に生きられるか?
  • どうすれば人生を楽しめるか?

菜根譚(さいこんたん)の基礎知識

菜根譚(さいこんたん)の構成

タイトルや章立てなく、前集222条後集135条の短めの「譚(話し)」から成り立ちます。前集は俗世の人々との関わり方を中心に語り、後集は俗世を超えた深遠な境地や、静かな暮らしの楽しみを語っています。

菜根譚(さいこんたん)の宗教とのかかわり

中国文学者の守屋洋氏は、菜根譚を「3つの宗教が交わる稀有な本」として、以下のように解説しています。

まず儒教ですが、これは身を修め、天下国家を治めることを説いた「表」の道徳です。「建て前の道徳」と言ってもよいでしょう。

しかし「こうすべきだ、ああすべきだ」という「表」の道徳だけでは、世の中は息苦しくなります。そこで必要になるのが、それを補う「裏」の道徳「道教」でした。道教はみずからの人生にのんびり自足する生き方を説いています。

しかし、儒教にしても道教にしても、厳しい現実をどう生きるかを説いたもので、人々の悩める心の救済にはあまり関心を示しません。それを補ったのが、のちにインドから入ってきた「仏教」です。

『菜根譚』は、この3つの教えを融合して、人生の知恵や処世の極意を説いているのです。そこに、この本の最大の魅力があると言ってよいでしょう。

参考:名経営者がこぞって読む『菜根譚』の秘密

菜根譚(さいこんたん)の内容

菜根譚は、3つの宗教(儒教、仏教、道教)を合体させた人生訓が書かれます。

宗教には対象の層があり、それぞれ違った強みや弱みがあるのですが、3つの宗教の良い部分だけを選別した本が菜根譚です。

3つの宗教について簡単に解説すると、下記です。

  • 儒教・・・学問を収め、身を立て、国を治めることを説くエリートの思想
  • 道教・・・自分が求めるモノを得て、のんびり暮らすことを説く民衆の思想
  • 仏教・・・今現在において心が苦しい人を救い出す思想

そもそも、なぜ3つの宗教を1つにしたのでしょうか?

それは当時の時代背景が理由です。

菜根譚は、約280年続いた明の王朝が滅亡しかかっているタイミングで執筆されました。

明の王朝が滅亡しかかっている時代は、国家の財政難、政治闘争、国民の生活の貧窮化に加え、ペストや天然痘など病の流行が重なり、非常に大変な時代でした。

上記の時代のなか、人びとは支えであった儒教への価値観も揺らぎ始めていました。

  • 何を信じたらいいのか
  • どうすれば救われるのか

上記のような、誰も分からない状態ときに菜根譚は発行されたのです。

3つの宗教を合体させ、柔軟な解釈ができるように幅を持たせることで、当時の人々の精神面を救っていたのです。

菜根譚(さいこんたん)の教え

菜根譚の教えは以下4つです。

  • 良い人間関係を築く
  • 誠実な心を持つ
  • 心の雑念を消す
  • 時間はあなたの心の持ちよう

詳しく紹介します。

良い人間関係を築く

菜根譚にはこの良い人間関係を作り出すための原則が書かれています。

それが次の通りです。

  • 相手の小さな過ちを咎めない
  • 相手の隠したいことを暴かない
  • 相手の過去の過ちをいつまでも覚えておかない

上記の原則を守れば、他人から恨まれることなく良い人間関係を築け、なおかつ自分の成長にも繋がります。

また、思想や行動が片方に傾倒しすぎることは、それ相応の危険性を伴います。

例えば、酒は飲みすぎると危ないですが、全く飲まないというのも楽しくないです。ほろよい程度を理想としましょう。

立派な行いであったとしても、やりすぎるとそれは誹謗中傷の的になります。

何事もバランスをとり、丁度良いくらいを目指しましょう。

誠実な心を持つ

世の中には嘘をついて媚びへつらい、優遇されるように生きている人もいます。いわゆる誠実ではない人です。

このような人は人よりも早く出世したり、評価されたりするかもしれません。

しかし、この成功は一時的な成功です。絶対に長続きはしないでしょう。

大切なのは、規範を踏み外さない範囲で、自分の生きたいように自然体で生きることです。

心の雑念を消す

人間にとっての幸福と不幸は自分の心の在り方次第です。

全ての物事は表裏一体でできており、幸福の裏には不幸が、喜びの反対には悲しみが潜んでいます。

そして、心が曇り動揺していると、物事の本来の姿を見失ってしまうのです。

心が乱れていたら、自分を助けようとしている友人が、自分を攻撃しようとしている敵兵に見えてしまうのです。

菜根譚は、暮らしの中にゆとりを持ち、自分と向き合う時間を大切にすることをオススメしています。

早朝や静かな夜に、自分と向き合う時間を作る習慣を取り入れましょう。

時間はあなたの心の持ちよう

忙しく仕事をすることで、あなたの幸福に繋がるのでしょうか?

菜根譚では、時間とはその人の気持ちの持ちようで、長くもなり短くもなると言っています。

時間と同様で場所も同じです。心の持ち方次第で、狭い部屋だった大きく見えたり、更に小さく見えたりするのです。

菜根譚(さいこんたん)の座右の銘になる名言集

菜根譚の名言を一部抜粋します。

菜根譚(さいこんたん)の名言1

人が世の中を生きてゆく時には、 自分から一歩をゆずることが、 よりすぐれた道である。 この一歩をゆずることが、 それがそのまま、 次の一歩を進める根本となる。

菜根譚(さいこんたん)の名言2

この世はけっして、 けがれてもいないし、 苦しみの海でもない。 そうさせているのは、 自分自身の心なのだ。

菜根譚(さいこんたん)の名言3

逆境にあるときは、身の回りのものすべてが良薬となり、節操も行動も、知らぬまに磨かれていく。

菜根譚(さいこんたん)の名言4

小人からは、むしろ憎まれたほうがよい。

菜根譚(さいこんたん)の名言5

常に喜びの気持をもって暮らすことが、幸福を呼びこむ道である。

菜根譚(さいこんたん)の名言6

人の過失をとがめる人は、心を動かすごとに、それがすべて自分を傷つける刃物となる。

菜根譚(さいこんたん)の名言7

古人の書物を読んでいながら、聖賢の精神にふれなかったならば、それは単なる文字の奴隷であるにすぎない。

菜根譚(さいこんたん)の名言8

他に先がけて開いた花は、散るのもまた早い。

菜根譚(さいこんたん)の名言9

肝臓が病むと目が見えなくなり、腎臓が病むと耳が聞こえなくなる。このように、病は他人からは見えないところで始まり、やがては誰でもが見えるところに現れる。 だから、人の上に立つ者は、人前で罪を受けたくないなら、先ずは人から見えないところでも罪を犯さないようにすべきである。

菜根譚(さいこんたん)の名言10

身分不相応な幸運や正当な理由のない授かりものなどいうものは、天が人を釣り上げる甘い餌であるか、さもなければ人の世の落し穴である。

菜根譚(さいこんたん)の名言11

多情の女は男狂いの果てに尼になり、のぼせやすい男は思いつめて仏道にはいる。かくして神聖なるべき寺院が、いつもみだらな女やよこしまな男どもの集まる巣窟となる。

菜根譚(さいこんたん)の名言12

事無きの時は、心、昏冥し易すし。宜しく寂寂にして、照すに惺惺を以てすべし。事有るの時は、心、奔逸し易すし。 宜しく惺惺にして、主とするに寂寂を以てすべし。
※座右の銘にしておくことを奨める。

菜根譚(さいこんたん)の名言13

おいしい食べ物は、 自分の分を三分ぐらい減らして、 相手に譲ってやる。 このような心がけこそ、 この世を生きていく上で、 一つの極めて安らかで、 楽しい方法である。

菜根譚(さいこんたん)の名言14

彼が富の力でくるならば、 私は仁の徳をもって対抗し、 彼が名誉でくるなら、 私は正しい道をもって対抗する。

菜根譚(さいこんたん)の名言15

成功は常に 苦心の日に在り。 敗事は多く得意の時に 因ることを覚えるべし。

より多くの名言は「菜根譚(さいこんたん)の名言」で紹介しています。ご覧ください。

菜根譚の関連書籍


[決定版]菜根譚 守屋 洋 (著)



全文完全対照版 菜根譚コンプリート: 本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文 単行本 野中 根太郎 (翻訳)



図解 菜根譚 単行本 齋藤 孝 (著)



中国古典の知恵に学ぶ 菜根譚 エッセンシャル版 洪自誠 (著)



人生に効く『菜根譚』 湯浅 邦弘 (著)

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