菜根譚10「賓朋雲集し」の原文・現代語訳
菜根譚10「賓朋雲集し」の原文・現代語訳を記載します。原文 | 現代語訳 |
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賓雲集、劇飮淋漓樂矣。俄而漏盡燭殘、香銷茗冷、不覺反嘔咽、令人索然無味。天下事類此。人奈何不早囘頭也。 | 一賓朋雲集し、二劇飲淋漓として楽しめり。俄にして三漏尽き燭残り、香銷え茗冷ややかにして、覚えず反って四嘔咽を成し、人をして索然として味なからしむ。天下の事は率ね此に類す。人、奈何ぞ早く五頭を回らさざるや。 |
菜根譚10「賓朋雲集し」に出てくる言葉の意味
- 賓朋雲集し賓客朋友が大ぜい集まる。「雲集」は雲の如く集まる。
- 劇飲淋漓したたかに酒を飲み続ける。「淋漓」は、たらたら流れるさま。長く飲み続けるにいう。
- 漏尽き燭残り夜もふけ燈火もわずかになる。「漏」は漏刻、水時計。
- 嘔咽を成しむせび泣きをする。歓楽の尽きたことを示す。漢の武帝に「歓楽極まって哀情多し、少壮幾時ぞ老を奈何せん」(秋風辞)の句がある。
- 頭を回らさざる思い直さないのか。気づかないのかの意。
菜根譚10「賓朋雲集し」解説
賓客や朋友が大ぜい集まって、(大宴会を催し)、盛んに酒を飲み続けてにぎやかに楽しい。やがて時刻が移り夜もふけ、燈火もわずかになり、香烟も絶え、茶も冷えきってしまうと、(いわゆる歓楽尽きて哀情多しで)、今までとうって変わって、われ知らずむせび泣きをして、人々に興ざめ味気ない感じを抱かせるようになる。世の中の楽しみごとは、皆こうしたものである。なぜ人々は早く思い直さないのか。菜根譚後集(名言・要約)
菜根譚1 山林の楽しみを談ずる者は菜根譚2 水に釣るは逸事なり菜根譚3 鶯花茂くして菜根譚4 歳月は本長くして菜根譚5 趣を得るは多きに在らず菜根譚6 静夜の鐘声を聴いては菜根譚7 鳥語虫声も菜根譚8 人は有字の書を読むを解して菜根譚9 心に物欲なければ菜根譚10 賓朋雲集し菜根譚11 個中の趣を会し得れば菜根譚12 山河大地も菜根譚13 石火光中に、長を争い菜根譚14 寒燈焔なく菜根譚15 人肯て当下に体せば菜根譚16 冷より熱を視て菜根譚17 富貴を浮雲にするの風ありて
【菜根譚】今日の名言