菜根譚9「心に物欲なければ」の原文・現代語訳
菜根譚9「心に物欲なければ」の原文・現代語訳を記載します。原文 | 現代語訳 |
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心無物欲、卽是秋霽海。座琴書、石室丹丘。 | 人は有字の書を読むを解して、一無字の書を読むを解せず。有絃の琴を弾ずるを知りて、二無絃の琴を弾ずるを知らず。三迹を以て用いて、四神を以て用いず、何を以てか琴書の趣を得ん。 |
菜根譚9「心に物欲なければ」に出てくる言葉の意味
- 霽海雨の晴れ上った海原。
- 琴書琴と一、二冊の書物。陶淵明に「親戚の情話を悦び、琴書を楽しんで以て憂いを消す」(帰去来辞)とある。
- 石室丹丘仙人の住む郷。「丹丘」は、昼夜、常に明るいという。楚辞に「羽人に丹丘に仍き、不死の旧郷に留まる」(遠遊)とあり、王逸注に「丹丘は昼夜常明なり」という。
菜根譚9「心に物欲なければ」解説
人は心の中に物欲さえなければ、それでもう、心は澄み渡った秋空や雨の晴れ上った海原のように明るい。また、身近に琴と一、二冊の書物さえあれば、(これで憂いを消し心を清めることができるので)、それでもう、身は仙郷にいるように脱俗の思いがする。菜根譚後集(名言・要約)
菜根譚1 山林の楽しみを談ずる者は菜根譚2 水に釣るは逸事なり菜根譚3 鶯花茂くして菜根譚4 歳月は本長くして菜根譚5 趣を得るは多きに在らず菜根譚6 静夜の鐘声を聴いては菜根譚7 鳥語虫声も菜根譚8 人は有字の書を読むを解して菜根譚9 心に物欲なければ菜根譚10 賓朋雲集し菜根譚11 個中の趣を会し得れば菜根譚12 山河大地も菜根譚13 石火光中に、長を争い菜根譚14 寒燈焔なく菜根譚15 人肯て当下に体せば菜根譚16 冷より熱を視て菜根譚17 富貴を浮雲にするの風ありて
【菜根譚】今日の名言