菜根譚9「夜深く人靜まれるとき」の原文・現代語訳
菜根譚9「夜深く人靜まれるとき」の原文・現代語訳を記載します。原文 | 現代語訳 |
---|---|
夜深人靜、獨坐觀心、始覺妄窮而眞獨露。每於此中、得大趣。覺眞現而妄難、於此中、得大慚忸。 | 夜深く人静まれるとき、独り坐して心を観ずれば、始めて一妄窮まりて真独り露わるるを覚ゆ。毎に此の中において、二大機趣を得。既に真現われて妄の逃れ難きを覚ゆれば、また此の中において、三大慚忸を得。 |
菜根譚9「夜深く人靜まれるとき」に出てくる言葉の意味
- 妄・真妄心(煩悩雑染心)と真心(自性清浄心)。衆生心は根本的には自性清浄心であるが、自性清浄心は他方に同時に煩悩雑染心と相並び、和合、不和合が説かれる。これにつき大乗起信論(岩波文庫、宇井伯寿訳)に詳しい。
- 大機趣応用自在なはたらき。
- 大慚忸根本的なざんげ。慚も忸も恥じる。
菜根譚9「夜深く人靜まれるとき」解説
夜が更け人々が寝静まった時、独り坐して自己の本心を観照すると、次第にもろもろの妄念が消滅して、自性清浄の真心だけが現われてくるのを覚える。このような折に、しばしば応用自在な心のはたらきを体得することができる。かくしてすでに真心が現われても、妄念は全く払い去りがたいことを悟ると、そこでまた大懺悔心を生じて、成道へ発心する。菜根譚前集(名言・要約)
菜根譚1 道徳に棲守する者は菜根譚2 世を渉ることを浅ければ菜根譚3 君子の心事は菜根譚4 勢利紛華は菜根譚5 耳中、常に耳に逆うの言を菜根譚6 疾風怒雨には菜根譚7 肥辛甘は真味にあらず菜根譚8 天地は寂然として不動かずして菜根譚9 夜深く人靜まれるとき菜根譚10 恩裡に由來害を生ず菜根譚11 藜口莧腸の者は菜根譚12 面前の田地は菜根譚13 径路の窄き処は菜根譚14 人と作りて甚の高遠の事業菜根譚15 友に交るには菜根譚16 寵利は人前に居ることなかれ菜根譚17 世に処するに一步を譲るを菜根譚18 世を蓋うの功労も菜根譚19 完名美節は菜根譚20 事々、個の有余不尽の意思を菜根譚21 家庭に個の真仏あり菜根譚22 動を好む者は、雲電風燈菜根譚 前集意味 1-50菜根譚23 人の悪を攻めむるは菜根譚24 糞虫は至機なるも菜根譚25 玲高伝傲は菜根譚26 飽後に味を思えば菜根譚27 軒晃の中に居りては菜根譚28 世に処しては菜根譚29 憂勤は是れ美徳なり菜根譚30 事窮まり勢盛まるの人は菜根譚31 富貴の家は菜根譚32 卑きに居りて後菜根譚33 功名富貴の心を菜根譚34 利欲は未だ尽くは心を菜根譚35 人情は反復し菜根譚36 小人を待つは菜根譚37 寧ろ渾霊を守って菜根譚38 魔を降す者は、先ず自心を降せ菜根譚39 弟子を教うるは菜根譚40 欲路上のことは菜根譚41 念頭の濃やかなる者は菜根譚42 彼は富もてせば我は仁菜根譚43 身を立つるに一歩を高くして菜根譚44 学ぶ者は 、 精神を収拾し菜根譚45 人々に個の大慈悲あり菜根譚46 徳に進み道を修むるには菜根譚47 吉人は作用の安祥なるを菜根譚48 肝、病を受くれば菜根譚49 福は事少なきより菜根譚50 治世に処しては菜根譚51 我、人に功あらば
【菜根譚】今日の名言