菜根譚10「恩裡に由來害を生ず」の原文・現代語訳
菜根譚10「恩裡に由來害を生ず」の原文・現代語訳を記載します。
原文 | 現代語訳 |
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恩裡由來生。故快意時、須早囘頭。敗後或反功。故拂心處、莫放手。 | 恩裡に由来害を生ず。故に快意の時、須らく早く頭を回らすべし。敗後に或は反って功を成す。故に二払心の処、便ち手を放つこと莫れ。 |
菜根譚10「恩裡に由來害を生ず」に出てくる言葉の意味
- 恩裡恩情の厚いうちに。「裡」はうち。韓非子に「彌子の行いは未だ初めに変ぜざるなり。しかるに前の賢とせらるる所以を以てして、後に罪を獲るものは、愛憎の変ずればなり」(説難)とある。また杜甫の詩に「手を翻せば雲となり手を覆えば雨となる。紛々たる軽薄何ぞ数うるを須いん」(貧交行)とあり、人情の反覆常なきを説いている。
- 払心心にもとる。思うにまかせぬ。前出(前集五)。
- 物外の物世俗を越えた世界に見られる真実なるもの。
- 身後の身死後の生命。
菜根譚10「恩裡に由來害を生ず」解説
(人情は翻覆常なく愛憎は忽ちに変ずる)。恩情の厚いときに、昔から、ややもすれば思わぬ災害を生ずることが多い。それ故に、恩情が厚くて得意な境遇のときに、早く反省して後々の覚悟をしておくがよい。また物事は失敗した後に、かえって成功の機をつかむことが多い。それ故に、失敗して思うにまかせぬときにこそ、手を放し投げ出してしまってはならない。
菜根譚前集(名言・要約)




















































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