菜根譚42「彼は富もてせば我は仁」の原文・現代語訳
菜根譚42「彼は富もてせば我は仁」の原文・現代語訳を記載します。原文 | 現代語訳 |
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彼富我仁、彼我義。君子固不爲君相牢籠。人定天、志一動氣。君子亦不受物之陶鑄。 | 彼は富もてせば我は仁、彼は爵もてせば我は義もてす。君子は固より君相の牢籠する二ところとならず。三人定まれば天に勝ち、四志一なれば気を動かす。君子もまた造物の五陶鋳を受けず。 *内閣文庫本には、この次に「風恬浪静中」の一条あり、文意により後集への接続を考えて、底本は前集末(前集二二二)に移したものと思われる。 |
菜根譚42「彼は富もてせば我は仁」に出てくる言葉の意味
- 彼は富もてせば我は仁(彼富我仁)彼がでくるなら、我はで対する。孟子に「曾子曰く、晉楚の富は及ぶべからざるなり。彼その富を以てせば我は吾が仁を以てす。彼その爵を以てせば我は吾が義を以てす。吾何ぞ慊せんや」(公孫丑下)とあるによる。
- ところとならず(不為所)するところとならず。にされない。受身の否定。
- 人定まれば天に勝ち人は一念を通せば天に勝ち、その運命を開くことができるの意。史記に「人衆ければ天に勝ち、天定まりてまた能く人を破る」(伍子胥伝)とあるによっていう。
- 志一なれば気を動かす志が専一であると気を率い動かす。孟子に「志壱なれば則ち気を動かし、気壱なれば則ち志を動かせばなり」(公孫丑上)とある。
- 陶鋳型に入れられる。意志の自由を束縛される意。
菜根譚42「彼は富もてせば我は仁」解説
彼が富の力でくるならば我は仁の徳をもって対抗するし、彼が爵位でくるならば我は道義をもって対抗する。そこで仁義をもって立つ君子は、もともと、富や爵位によって君主や宰相に籠絡されるものではない。人は一念を通せば天にも勝ち、志が専一であれば気を率い動かすことができる。そこで君子たるものは、君主や宰相にはもとより、造物者にも、型に入れられて意志の自由を束縛されるものではない。菜根譚前集(名言・要約)
菜根譚1 道徳に棲守する者は菜根譚2 世を渉ることを浅ければ菜根譚3 君子の心事は菜根譚4 勢利紛華は菜根譚5 耳中、常に耳に逆うの言を菜根譚6 疾風怒雨には菜根譚7 肥辛甘は真味にあらず菜根譚8 天地は寂然として不動かずして菜根譚9 夜深く人靜まれるとき菜根譚10 恩裡に由來害を生ず菜根譚11 藜口莧腸の者は菜根譚12 面前の田地は菜根譚13 径路の窄き処は菜根譚14 人と作りて甚の高遠の事業菜根譚15 友に交るには菜根譚16 寵利は人前に居ることなかれ菜根譚17 世に処するに一步を譲るを菜根譚18 世を蓋うの功労も菜根譚19 完名美節は菜根譚20 事々、個の有余不尽の意思を菜根譚21 家庭に個の真仏あり菜根譚22 動を好む者は、雲電風燈菜根譚 前集意味 1-50菜根譚23 人の悪を攻めむるは菜根譚24 糞虫は至機なるも菜根譚25 玲高伝傲は菜根譚26 飽後に味を思えば菜根譚27 軒晃の中に居りては菜根譚28 世に処しては菜根譚29 憂勤は是れ美徳なり菜根譚30 事窮まり勢盛まるの人は菜根譚31 富貴の家は菜根譚32 卑きに居りて後菜根譚33 功名富貴の心を菜根譚34 利欲は未だ尽くは心を菜根譚35 人情は反復し菜根譚36 小人を待つは菜根譚37 寧ろ渾霊を守って菜根譚38 魔を降す者は、先ず自心を降せ菜根譚39 弟子を教うるは菜根譚40 欲路上のことは菜根譚41 念頭の濃やかなる者は菜根譚42 彼は富もてせば我は仁菜根譚43 身を立つるに一歩を高くして菜根譚44 学ぶ者は 、 精神を収拾し菜根譚45 人々に個の大慈悲あり菜根譚46 徳に進み道を修むるには菜根譚47 吉人は作用の安祥なるを菜根譚48 肝、病を受くれば菜根譚49 福は事少なきより菜根譚50 治世に処しては菜根譚51 我、人に功あらば
【菜根譚】今日の名言