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菜根譚17 富貴を浮雲にするの風ありて

菜根譚17「富貴を浮雲にするの風ありて 」の原文・現代語訳

菜根譚17「富貴を浮雲にするの風ありて 」の原文・現代語訳を記載します。
原文 現代語訳
雲富貴之風、而不必岩棲穴處。無膏肓泉石之癖、而常自醉酒耽詩。 一富貴を浮雲にするの風ありて、而も必ずしも岩棲穴処せず。二泉石に膏肓するの癖なくして、而も常に自から酒に酔い詩に耽る。

菜根譚17「富貴を浮雲にするの風ありて 」に出てくる言葉の意味

  1. 富貴を浮雲にす富貴を浮雲のように、はかなく当てにならないものと見る。論語に「疏食を食らい水を飲み、肱を曲げてこれを枕とす。楽しみまた其の中に在り。不義にして富み且つ貴きは、我において浮雲の如し」(述而)とあるによる。
  2. 泉石に膏肓す山水を愛好するくせが、不治の病のようになる。膏(心臓の下)と肓(横隔膜の上)との間は、名医も治療できなかったという故事(左伝成公十年)による。唐書の隠逸伝に「高宗、嵩山に幸し、中書侍郎薛元超を遣し、就いて其の母を問い、薬物・絮帛を賜う。帝親しく其の門に至る。游巌、野服にして出でて拝し、儀止謹撲なり。帝左右をして扶止せしめ、謂いて曰く、先生このごろ佳なるや否や、と。答えて曰く、臣は所謂、泉石の膏肓、煙霞の痼疾ある者なり、と」(田游巌伝)とある。

菜根譚17「富貴を浮雲にするの風ありて 」解説

世上の富貴を浮雲のように頼みにならぬものと見なす高潔な気風を持ちながら、しかも必ずしも深山幽谷に隠れ住まねばならぬとはしない。また、山水の景色を愛好するのが不治の病というほどのくせはないが、しかも常に酒に酔い詩にふける風流心を解している。

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