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菜根譚15 人肯て当下に体せば

菜根譚15「人肯て当下に体せば 」の原文・現代語訳

菜根譚15「人肯て当下に体せば 」の原文・現代語訳を記載します。
原文 現代語訳
人肯當下休、當下了。若個歇處、則婚嫁雖完、事亦不少。僧雖好、心亦不了。人云、如今休去休去、若覔了時無了時。見之卓矣。 人肯て一当下に二休せば、便ち当下に了せん。若し三個の歇む処を尋ねんことを要せば、則ち四婚嫁完しと雖も、事もまた少なからず、五僧道好しと雖も、心もまた了せず。六前人云う、「七如今、八休し去らば便ち休し去れ、若し八了時を覔むれば了時なからん」と。これを見ること九卓なり。

菜根譚15「人肯て当下に体せば 」に出てくる言葉の意味

  1. 当下にその時直ちに。即座に。
  2. 休す休止する。やめてしまう。
  3. 個の歇む処をやめどきというものを。
  4. 婚嫁完し息子に嫁を取り娘を嫁にやることが、すっかり片付く。楽隠居の身分になること。「完」は完了する意。
  5. 僧道好し僧や道士になることがよい。
  6. 前人古人。この古人は未詳。
  7. 如今今。
  8. 休し去るすっかりやめてしまう。八了時完了の時機。
  9. 卓卓見。

菜根譚15「人肯て当下に体せば 」解説

人は何事につけ、思い切って即座にやめれば、それで即座にけりがつくものである。ところがもし、やめるのに適当な時機というものを見付けてからと思うと、(いつまで待ってもその時機は来るものではない)、嫁取り嫁入りをすっかり済ましてしまっても、俗事はいっこうに少なくならないし、(それではと)、出家して僧や道士になるのがよいと思っても、そんなことでは心性を悟りきれるものではない。古人も「今すぐにやめてしまえばやめることができる。然し、もしやめる時機を見付けようとしていたら、やめる時機はないだろう」と言っている。まことに卓見である。

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