菜根譚8「人は有字の書を読むを解して」の原文・現代語訳
菜根譚8「人は有字の書を読むを解して」の原文・現代語訳を記載します。原文 | 現代語訳 |
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人解讀字書、不解讀無字書。知彈絃琴。不知彈無絃琴。以迹用、不以神用、何以得琴書之趣。 | 人は有字の書を読むを解して、一無字の書を読むを解せず。有絃の琴を弾ずるを知りて、二無絃の琴を弾ずるを知らず。三迹を以て用いて、四神を以て用いず、何を以てか琴書の趣を得ん。 |
菜根譚8「人は有字の書を読むを解して」に出てくる言葉の意味
- 無字の書文字のない書物。文字では書き表わせない書物。宇宙の真理を寓した万象をさす。
- 無絃の琴絃のないきん。昭明太子の陶淵明伝に「淵明、音律を解せずして、無絃の琴一張を蓄え、酒適する毎に輙ち撫弄し、以て其の意を寄す」(陶淵明集巻十)とある。
- 迹を以て用い形にとらわれるをいう。
- 神精神。
菜根譚8「人は有字の書を読むを解して」解説
世人は文字を用いた書物を読むことだけを知って、文字では書き表わせない書物を読むことを知らない。また、有絃の琴を弾くことだけを知って、無絃の琴を弾くことを知らない。(これは皆、文字や絃の形にとらわれているからで、それらによって表現される真理や音律を理解する精神を所持していないからである)。形だけにとらわれて、この精神を用いようとしないで、どうして琴書の趣を会得することができようか。菜根譚後集(名言・要約)
菜根譚1 山林の楽しみを談ずる者は菜根譚2 水に釣るは逸事なり菜根譚3 鶯花茂くして菜根譚4 歳月は本長くして菜根譚5 趣を得るは多きに在らず菜根譚6 静夜の鐘声を聴いては菜根譚7 鳥語虫声も菜根譚8 人は有字の書を読むを解して菜根譚9 心に物欲なければ菜根譚10 賓朋雲集し菜根譚11 個中の趣を会し得れば菜根譚12 山河大地も菜根譚13 石火光中に、長を争い菜根譚14 寒燈焔なく菜根譚15 人肯て当下に体せば菜根譚16 冷より熱を視て菜根譚17 富貴を浮雲にするの風ありて
【菜根譚】今日の名言